お盆の親戚づきあいで摂食障害を悪化させない4つの言葉かけ

夏休み、お盆の時期、久しぶりに親戚が集まったり、
同級生と再会する機会が増える方も
多いのではないでしょうか。
里帰りや同窓会を楽しみにしている方がいる一方で、
摂食障害のご本人の方にとっては、
複雑な気持ちになる季節でもあります。
今日は、お盆に増える「親戚付き合い」が、
なぜ摂食障害のお子さんにとって
大きなプレッシャーになりやすいのかと、
お盆の親戚づきあいで摂食障害を悪化させない4つの言葉かけについてお話しします。

「太った?」「痩せた?」――その何気ない一言が引き金になる
数年ぶりに会う親戚から、こんな一言をかけられることがあります。

「あれ、なんかちょっと太ったんじゃない?」

「あれ、なんか痩せたね」
悪気なく発せられた一言だったとしても、
摂食障害のあるお子さんにとっては、
その言葉が体重や体型への強い意識を呼び覚ますきっかけになります。
「太った」と言われれば
「私はダメなんだ。もっと痩せなきゃ」と思い、
「痩せたね」と言われれば
「まだ足りない、もっと痩せないと」と思う
――どちらの言葉も、
症状を悪化させる方向に
働いてしまうことがあるのです。
「嫌なら言い返せばいい」が、できないこともあります
では、そんなときに、
「嫌だったら、嫌だって言えばいいよ」
「体型のことを言われたら、やめてって言えばいい」
と思うかもしれません。
もちろん、自分の気持ちや境界線を伝えられることは大切です。
でも、摂食症の方の中には、
「嫌なことを嫌と言う」「自分の気持ちを相手に伝える」ということが、
とても苦手な方も少なくありません。
そのため、
本当は傷ついているのに、その場では笑ってしまう。
本当は嫌なのに、相手に合わせてしまう。
何も言わずに、その場をやり過ごしてしまう。
そして、
家に帰ってからどっと疲れたり、
食行動が不安定になったりすることがあります。
「笑っていたから大丈夫」とは限りません
ここは、周りの大人にもぜひ知っておいてほしいところです。
その場で笑っていたからといって、
「本人は気にしていない」とは限りません。
むしろ、
相手を傷つけないように、
場の空気を壊さないように、
嫌われないように……と、一生懸命に合わせていることがあります。
「大丈夫?」と聞かれても、
「大丈夫だよ」と答えてしまう。
でも、本当の気持ちは、
「あの言葉、嫌だった」
「本当は傷ついた」
「どう返していいかわからなかった」
ということもあるのです。
お盆の時期に大切なのは、「本人に頑張らせること」ではありません
摂食症のお子さんがいるご家庭では、お盆の集まりを前に、
「ちゃんと食べられるかな」
「親戚に何か言われないかな」
「また不安定にならないかな」
と、お母さん自身も心配になるかもしれませんよね。
でも、ここで大切なのは、
「本人がうまく対応できるように頑張らせること」ではありません。
むしろ、周囲の大人が、
本人が無理をしなくても済む環境をつくってあげることです。
たとえば、親戚や家族には、あらかじめ
「体型や体重については話題にしないでね」
「食べる量についても、本人に言わないでね」
と伝えておく。
本人がその場で何か言い返さなくてもいいように、
周囲の大人が守ってあげることもできます。
「何を言われても平気になる」ことを目指さなくていい
摂食症からの回復というと、
「何を言われても気にしない自分になる」
ことが必要だと思われることがあります。
でも、私は必ずしもそうではないと思っています。
傷つく言葉を言われたら、傷つくことがあります。
久しぶりに会った人から突然、
自分の体について言われたら、
心がざわつくこともあります。
それは「弱いから」ではありません。
だからこそ、
本人に「気にしないようにしなさい」と言うのではなく、
安心して過ごせる環境を周りが一緒につくっていくことが大切です。
お盆の集まりを「我慢の時間」にしないでください
「ちゃんと食べられるかな」
「親戚の前でも大丈夫かな」
「症状を出さずに過ごせるかな」
お盆の集まりが、本人にとってそんな
「我慢しなきゃいけない時間」になってしまうと、
とても苦しくなります。
・「食事の場で多少不安定になることがあってもいいよ」
・「途中で席を外してもいいよ」
・「疲れたら早めに帰ってもいいよ」
・「親戚との会話に無理に参加しなくてもいいよ」
「楽しく過ごせなければいけない」
「普通に食べなければいけない」と思わなくても大丈夫です。
お盆は、本来、家族や大切な人と過ごす時間です。
だからこそ、
摂食症のお子さんにとっても、
安心してその場にいられることを一番に考えてあげてほしいと思います。
お母さんができることは、「がんばらせること」ではなく「味方でいること」
もし、お子さんが帰宅してから、

「あの人に痩せたって言われた」
「本当は嫌だった」
「何も言えなかった」
と話してきたら、すぐに解決しようとしなくても大丈夫です。

「そうだったんだね」
「それは嫌だったね」
「言い返せなくもなるよね」
まずは、そんなふうに受け止めてあげてください。

「次はちゃんと言えばいいよ」
「気にしなければいいよ」
と励ますよりも、

それだけ気をつかって疲れただろうね。あなたは一人じゃないよ。お母さんはあなたの味方だよ
という安心感のほうが、心を落ち着かせることがあります。
お盆は、人と会う機会が増えるからこそ、
摂食症の方にとっては心が揺れやすい時期でもあります。
だからこそ、
症状を「なくそう」とするより、その揺れを一緒に受け止めてあげる。
今年のお盆が、
摂食症のお子さんにとって
「頑張らなければならない時間」ではなく、
「多少揺れても大丈夫」と感じられる時間になりますように。
それだけでも、大きな支えになります。
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