家事や仕事が忙しくて摂食障害のわが子への時間が取れないを解決!フィギュアスケートメダリストから学ぶ時間の作り方とは?

お母さんうちの子が過食嘔吐をしています。病院に行く気もないみたいで、なかなか状況が変わりません。親としてこの子の対応をどうにかしなきゃと思うんですけど、私自身、仕事も忙しいし、他の家族もいるので、なかなか時間をとれないんですよね。
というお声をよく伺います。
お母さんも仕事や家事もしている中、お子さんへの時間をとることが難しいことと思います。
今日は、フィギュアスケート界の2つの嬉しいニュースから、摂食障害の回復について感じたことをお伝えしたいと思います。
ペア種目でオリンピック銅メダルを獲得した三浦璃来選手・木原龍一選手(りくりゅう)の婚約が発表され、SNSでは祝福の声があふれました。オリンピックでの息の合った演技を見て、お二人の関係性に心を動かされた方も多いのではないでしょうか。私自身もその一人です。
そしてもう一つ、心に残ったのが、8月23日の読売新聞に掲載された、荒川静香さんと坂本花織さんの対談記事です。お二人は8月28日から30日まで、神奈川県のKOSÉ新横浜スケートセンターで開催されるアイスショー「フレンズオンアイス2026」に出演されます。荒川さんがプロデュースするこのショーに、2025-26シーズンをもって現役を引退し、プロスケーターへと新たな一歩を踏み出した坂本花織さんが出演することが決まっています。
この対談の中で、坂本さんが語っていた言葉が、摂食障害からの回復ととても重なる内容だったので、ぜひご紹介させてください。

公認心理師として「親子過食卒業レッスン」を主催している大橋とも(オレンジ)です。
▶著書「わが子が摂食障害になったら読む本」
(Amazon「ストレス・心の部門」予約1位)
▶読売新聞オンライン『ヨミドクター』掲載
▶婦人公論JP掲載
▶LuckyFM茨城『ダイバーシティ-ニュース』出演
トラウマ・愛着・マインドフルネス(MBRP)を専門に、
摂食障害の当事者・ご家族のサポートを行っています。
私自身も25年以上、摂食障害の当事者として苦しんだ経験があり、
その経験と専門家としての視点の両方から、お伝えしています。
①坂本花織さんが語った「プロになって一番大変なこと」
坂本さんは対談の中で、現役を引退してプロスケーターになってから一番大変だったこととして、
練習できる時間が朝6時15分からしかなく、その中で「自分が滑る時間」を確保すること自体が一番大変でした。、自分でスケジュールをこじ開けて取りに行かなければならない――
と語ってらっしゃいました。
現役選手だった頃は、練習の時間もスケジュールも、周りが用意してくれるのが当たり前だった。
けれど
プロになった今は、いつ、どこで、どんなふうに練習するかを、すべて自分で決めないといけないことが大変。
そんな趣旨のお話でした。
②この言葉が、摂食障害の回復と重なった理由
この一節を読んだとき、思わず手が止まりました。これは、摂食障害からの回復のプロセスと、驚くほど重なっているのです。
現役時代の練習環境は「用意されるもの」だった。
けれど
プロになった今は「自分でつかみに行くもの」に変わった。
これは摂食障害の回復にも当てはまるんです。
摂食障害のお子さんにとって
周りの大人がまだ生活全体を管理してくれていた頃は、
食事の時間もリズムも、ある程度は周りが整えてくれていたかもしれません。
けれど回復に向き合うためには、
回復の主導権は少しずつご本人がハンドルを握ることが大事になっていきます。
摂食障害は、「誰かが治してくれる病気」ではありません。
今日、何を、いつ、どんなふうに食べるのか。
心と体をどう整えるのか。
それらは誰かが代わりにやってくれるものではなく、
自分で時間をつくり、気持ちを整え、一つひとつ動いていく必要があります。
言い換えると、ご本人にとっての回復とは、
「回復のための時間や体力を、自分でつくっていくこと」
なのです。
そして、この視点はご家族にも同じように当てはまります。
お子さんの回復のために、
家族として何をしていくのか。
逆に、何をしないでおくのか。
そのための「時間」や「体力」をどうやって生み出すのか。
家事も育児も仕事もある中で、
どこに時間を注ぎ、どこの時間を減らすのか。そのためにどう調整していくのか。
そんな風に「お子さんの回復のために、家族として何をして、何をやめるかを決めること」 が、とても大切になります。
③オリンピックメダリストでも「大変」だと言っている
ここで大切にしたいポイントがあります。坂本さんは、北京オリンピック個人戦銅メダル、ミラノ・コルティナオリンピック個人戦銀メダルという、世界トップクラスの実績を持つアスリートです。その坂本さんでさえ、自分で練習時間を確保することを「一番大変」だと語っている。
特別な人だから、大変じゃないわけではない。
強い人だから、簡単にできるわけではない。
むしろ、自分で自分の時間をつかみに行くということは、メダリストでさえも難しいことなんです。
④「全部自分でやろう」としなくていい
私のところに届くメッセージやご相談には、「自分の力だけで、すべてを解決しなければ」と一人で抱え込んでしまうご本人・ご家族のお姿を、たびたび目にします。
けれど、坂本さんのように環境が整った世界でも「自分ひとりで用意するのは大変」なのですから、心と体の両方に大きな負荷がかかる摂食障害からの回復の中で、すべてを一人でやろうとするのは、本来とても難しいことなのです。
誰の力も借りずに、自分の意志の力だけで回復しなければならないのでしょうか。
実は違います。必要な範囲で、人の力を借りていいのです。
✓ 「力を借りる」の具体例
- 練習環境に自分から入っていくように、回復をサポートしてくれる場に自分から一歩入ってみる
- 信頼できる専門家に相談する
- 同じ経験をしている人たちと分かち合う場に参加する
- 家族に、今の自分の状態を言葉にして伝えてみる
そうした小さな「力を借りる」選択の一つひとつが、回復を1つずつ進めてくれますよ!
⑤回復は、誰かが用意してくれるものではなく自分でつかみに行くもの
坂本さんの言葉をもう一度振り返ります。練習は誰かが用意してくれるものではなく、自分でスケジュールをこじ開けて取りに行くものになった。
回復も同じです。
回復は、誰かが用意してくれるものでもありませんし、
誰かが代わりに進めてくれるものではありません。
今日という一日の中に、自分のための時間を、少しずつつかみに行く。気持ちを整え、体を整え、一つずつ、動かしていく。それは決して簡単なことではないけれど、坂本さんのようなトップアスリートでさえ「大変だ」と言葉にしているように、誰にとっても大変で困難な道のりです。
だからこそ、一人で抱え込みすぎず、必要な範囲で周りの力を借りながら、少しずつ自分の時間をつかみに行ってください。それが、一日も早い回復につながる道だと、私は感じています。
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| 日時 | 8/26(水)20:00〜21:00 |
| 主催 | NPO法人マインドフルネス心理臨床センター |
| 方法 | ZOOM |
| 参加費 | 無料/寄付制 |
| アーカイブ | リアルタイム参加が難しい方向けに、1週間のアーカイブ配信あり |
- 摂食障害の子が治療や情報を拒否する「本当の理由」
- お母さんが最初に知っておくべき“関わりの土台”
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- ご家族が陥りやすい“逆効果の声かけ”と、その代わりに何を言えばいいか
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著書
『わが子が摂食障害になったら読む本』(Amazon「ストレス・心の病気」部門予約1位)
著者プロフィール

大橋とも(オレンジ)
公認心理師/『親子過食卒業レッスン』主催
自身も25年にわたり摂食障害に苦しんだ経験を持ち、その経験と専門知識を活かして、親子過食卒業レッスンのグループ講座や個別セッションで、摂食障害のお子さんを持つ親御さんのサポートを行っている。著書に『わが子が摂食障害になったら読む本』。

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