「過食嘔吐を手放したいけど太るの怖い」を手放すための2つの力とは?

毎日の過食嘔吐で、心も体もボロボロ……。
過食スイッチが入ると、友達や大切な人との約束さえ守れなくなる。
「こんな自分、もうイヤ」「過食嘔吐をやめたい」
——そう思っているのに、「太るのが怖くて、やめられない」と悩んでいませんか?

今日は、
その「太るのが怖い」という気持ちを手放すために必要な、
2つの自信についてお話ししていきます。

摂食障害の苦しさから回復し、
症状に振り回されない幸せな生き方を一緒に探すお手伝いをしている、
オレンジ(大橋とも)です。
公認心理師として、そして25年以上の当事者としての経験をもとに、「親子過食卒業レッスン」のグループ講座や個別セッションで、多くの方の回復をサポートしています。

目次

「太るのが怖い」と感じるあなたへ。その悩み、一人だけじゃありません

過食嘔吐をやめたい。拒食をやめたい。
でも太るのは怖い。
というお悩みをたくさん伺います。

私もずっと同じように悩んできましたし、
摂食障害から回復したいと思うときに、
多くの方が通る道でもあると思います。

同じような不安を抱えている方の参考になればと思うので、
よくいただくご相談例として紹介しますね

Aさん

過食嘔吐を辞めたいけど、太るのが怖いんです

大橋

太るの怖くなりますよね…。Aさんは例えばどんなことは怖いな、と感じますか?

Aさん

吐くことで体重をキープできているので、過食嘔吐を辞めちゃうと、どんどん太っちゃいそうで怖いんです

大橋

吐くことでようやくキープしているのに、過食嘔吐を辞めちゃうと、際限なく太っちゃう感じがすると、やめるの怖くなりますよね…

Aさん

止めたいと思うんですけど、
体重のこだわりがあって、太ってる自分は許せなくて…
苦しいし、時間もお金もムダにしるのに、どうにもできなくて…



Aさん、とてもすごく苦しいことと思います。

「過食嘔吐を辞めたい」けど
「太るのが怖い」というのは、
実はブレーキとアクセルを

同時に踏んでいるような状態なんです。


前にも後ろにも進めずに、
「やめたい」と「やめたくない」気持ちが
心の中で戦っている。

自分が2つに切り裂かれそうになって苦しくなるのは、
Aさんを含め、摂食障害の方に共通して起こる心の状態なんです。


Aさんが「太るの怖い」気持ちと向き合われたら、こんな言葉が出てきたそうです。

大橋

Aさんは、太ると、どうなりそうで怖いですか?

Aさん

太ると自分が嫌いになるんです。

ただでさえ、自分のことが嫌いなのに、
太るともっと、醜くなるから
「こんな自分なんか価値がない。」
「消えればいいのに。」と思うんです。

痩せたときの方が自信が持てたから、
イヤなことがあると痩せたくなります。

太る=醜くなる、価値がなくなる、もっと自分を嫌いになる。

Aさんは、そんな風に感じていらっしゃったんです。

なぜ「痩せてる私」でないと自信が持てないのか

「痩せてる私なら自信が持てる」のは、
こんな仕組みがあるからなんですよね。

STEP
もともと、自分に自信がない。自分のことが好きになれない。

STEP
太ったら、さらに醜くなる気がして、もっと自分が嫌いになる。太ってる自分なんて認めたくない。

STEP
だから、痩せなきゃ。痩せてる私なら、自信が持てる。

痩せれば、きれいになれるし、おしゃれもできる。
「痩せたね」「きれいになったね」って周りからも言われる。

太ってるときは誰も褒めてくれないのに、
痩せたら褒めてもらえる。

ダイエットが続かない人がいっぱいいるのに、
体重を落とせる私ってすごい、
痩せられる私ってすごい——。

「私、他の人ができないことができる!」
「痩せられる私なら、みんなもすごいって思ってくれる!」
「みんなが認めてくれる私のことなら、私も認められる!」

過去の私も「痩せ」という条件付きの自信を守るために、必死になっていた時期があります。

Aさんも
自分の命をかけて、生活の全てをかけて、
時間もお金もいっぱい使って、
過食嘔吐を続けて、心も体も悲鳴をあげているのではないでしょうか。

「条件付きの自信」を守るために、何を犠牲にしていますか

「痩せの自信」には強烈な魔力があるため、
一度取りつかれると、手放すのが、とっても怖いですよね。

でも、「痩せ」をキープするために、
「過食嘔吐」という棘だらけの杖を持ち続けなきゃいけない。


自分の体を傷つけて、
時間もお金も犠牲にし続けないと
「痩せ」という条件付きの自信を保ち続けることは難しい
んです。

でも、もう苦しいのはイヤ。
自分を犠牲にする生き方はイヤ。
時間もお金も自分のために使いたい。
過食嘔吐は辞めたい。


——そう思うなら、次のステップに進む準備ができているのだと、私は思っています。

回復のカギは「DOの自信」と「BEの自信」を育てること

摂食障害の方が、安心を得るためには、大きく分けて2つの方法があります。

1)目に見える“数字”で安心を得ようとする

・体重
・体形
・テストの点数
・摂取カロリー

数字は明確で、変化がすぐに分かるため、
一時的に安心を感じやすい
特徴があります。

しかし、この安心は「終わりがない」んです。

数字には必ず「上」があり、
達成してもすぐに不安が戻り、
「もっと」「まだ足りない」という思考が強くなってしまいます。

その結果、
「もっと体重や体形をコントロールしないと!」と
苦しさが増してしまうことがあります。

2)行動を“頑張ることで”安心を得ようとする

・過剰な運動
・食事の管理
・人からの評価
・期待に応えること

    行動を積み重ねることで
    「できている自分なら大丈夫」
    という感覚を得よう
    とする方法です。

    しかし、これもまた
    “頑張り続けないと不安になる”
    という構造を持っています。

    休むと罪悪感が生まれ、
    評価されないと自分の存在が揺らぐ。

    安心の土台が、非常に不安定なままなのです。

    「痩せ」に偏った自信は、なぜ苦しさを生むのか


    摂食障害の方は、
    安心の基準が「痩せているかどうか」に集中しやすくなります。

    痩せているときだけ自信が持てる。
    太ると自分を否定してしまう。

    この“条件付きの自信”は、
    強烈な魔力を持つ一方で、
    維持するために大きな犠牲を伴います。

    ・過食嘔吐
    ・極端な食事制限
    ・過剰運動
    ・生活のすべてを体重管理に費やす

    こうした行動を続けなければ
    自信が保てない状態になってしまうのです。

    回復の鍵は「自信の土台」を広げること

    安心を数字や行動だけに頼っている限り、
    不安は必ず戻ってきます。

    そこで必要になるのが、
    次の2つの自信です。

    ① DOの自信
    「できること」「やれること」に基づく自信
    痩せているかどうかに関係なく、
    自分の魅力や特技、できることに目を向ける自信です。

    ・得意なこと
    ・人の役に立てること
    ・好きなこと
    ・興味があること

    こうした“行動の自信”を育てることで、
    安心の基準が体重以外にも広がっていきます。

    ② BEの自信
    「どんな私でも、いていい」と思える自信
    体重や体形という条件に左右されず、
    あるがままの自分を認められる自信です。

    ・痩せていても、痩せていなくても
    ・体重が増えても、減っても
    ・どんな状態でも「私は私でいていい」

    この“存在の自信”は、
    摂食障害の回復において最も重要な土台になります。

    まとめ

    DOの自信

    「痩せ」以外の、私の魅力・特技・できることに目を向けて育てる自信

    BEの自信

    体重や体形に左右されず、あるがままの私を「いていい」と認められる自信

    この両方の自信を育てていくことが大事なんです。
    特に「BEの自信」は、
    すぐに、簡単に、一気に、育てることは難しいので
    (早く回復したい気持ちは分かりますが、焦るほど摂食障害に戻りたくなるので要注意です)、


    こつこつ、地道に、何度も何度もトライ&エラーしながら見つけていきましょう。

    「一人ではなかなかできない」と感じたら

    メルマガにご登録の方だけに、1対1でじっくりお話を伺うイベントを不定期でご案内をしています。

     ↓こちらから登録する↓

    この記事を書いた人:大橋とも(オレンジ)

    公認心理師。「親子過食卒業レッスン」主催。25年以上の当事者としての経験と専門知識をもとに、親子過食卒業レッスンのグループ講座や個別セッションで、摂食障害からの回復をサポートしている。著書『わが子が摂食障害になったら読む本』(Amazon「ストレス・心の病気」部門予約1位)。

    開催中のイベント・お知らせ

    出版記念セミナー

    8/26(水)20:00〜21:00|NPO法人マインドフルネス心理臨床センター主催詳細・お申し込みはこちら

    著書

    『わが子が摂食障害になったら読む本』好評発売中

    この記事が気に入ったら
    いいね または フォローしてね!

    • URLをコピーしました!
    • URLをコピーしました!

    コメント

    コメントする

    目次