お盆の食事の場面で摂食障害のお子さんの心を守る4つの言葉かけ

お盆になると、普段は会わない親戚と顔を合わせる機会が増えますよね。
摂食症のお子さんがいるお母さまからはこの時期、このようなお悩みをたくさん伺います。

摂食障害の娘が
親戚づきあいや帰省をすごく嫌がるんです。
この子にとっては
おばあちゃん・おじいちゃんですし、
何かあったときに
お世話になるかもしれない
親戚なので…。
私だって、普段、娘に合わせているので、
1日くらい「家族としてのつきあい」をしてほしいんですけど…
親戚付き合い、お母さまとしても、非常に気をつかう状況ですよね。
今の娘さんの気持ちも大事にしたい。
とはいえ、
今までのづきあいや、今後のことも考えると、
親戚をむげにすることもできない・・・
そんな風に悩まれているお母さまも多いのではないでしょうか?
今日お伝えしたいのは、
「お盆の親戚付き合いの中で、お子さんの心を守る言葉かけ」です。
親戚の集まりは、どうしても気を遣う場面が増えます。 悪気のないひと言が、お子さんの心を揺らしてしまうこともありますし、 お母さんが「板挟み」になって疲れてしまうこともあります。
だからこそ、 いざという時に使える “自分の言葉” を持っておくことが、 お子さんの心と、お母さん自身を守ることにもつながりますよ。

お知らせ
親戚の前で使える「4つの言葉かけ」
親戚〇〇ちゃん、こんな少ししか食べないの?
成長期なんだから、
もっと食べたほうがいいわよ。
ほら、唐揚げもポテトも食べたら?
お母さん(娘は、揚げ物が怖くて食べられないのに、勧めないでよ…。)
親戚〇〇ちゃん、しばらく会わないうちに、
ずいぶん太ったんじゃない?
前はもっと痩せてたのに、どうしたの?
あなた(やめてー!
娘は、体形のことをすごく気にしてるから、
私だって、普段絶対に言わないようにしてるのに…。娘に聞こえたら後で大変!
お願いだから、太ったとか言わないで…)
こんなやりとりで、どう答えたらいいか、
困ったことはありませんか?
親戚づきあいの場面でよく出てくる話題ごとに、
そのまま使える言葉かけを4つご紹介します。
一言一句そのまま言う必要はありません。
「こういう軸で答えればいいんだ」という
安心材料として持っておいてくださいね。
①「今はその話はしないでおこうね」(娘さんへ)
食事量、体重、体型、見た目。こうした話題が出た瞬間、お母さんの心臓はぎゅっと縮みますよね。
そんなときは、責める必要も、言い訳をする必要もありません。
「今はその話はしないでおこうね」と、
やんわり話題を変えて大丈夫です。
話をそらすことは、
逃げることでも失礼なことでもなく、
お子さんの心守るための立派な対応です。
②「本人のペースを大事にしているんです」(親戚へ)
「どうして食べないの」
「病院には行っているの」と
根掘り葉掘り聞かれることもあるかもしれません。
そのすべてに、詳しく説明する必要はありません。
「本人のペースを大事にしているんです」のひと言で、
それ以上の詮索にやんわり蓋をすることができます。
相手を納得させることが目的ではなく、
これ以上話を広げないための言葉です。
③「食べることについては、こちらで見守っています」(親戚へ)
「もっと食べさせないと」
「好き嫌いさせちゃだめよ」と、
食事量そのものを評価されそうになる場面もあります。
そんなときは、
「食べることについては、こちらで見守っていますので」と
伝えるだけで十分です。
「見守っている」という言葉には、
放置しているわけではなく、
方針のもとに対応しているというニュアンスが自然に含まれます。
④「今は食事の仕方について、そっとしておいてもらえると助かります」(親戚へ)
これは、
お子さんを守るための言葉であると同時に、
お母さん自身を守るための言葉でもあります。
「助かります」という表現には、
相手にお願いをする柔らかさと、
それ以上踏み込ませない一線の両方が含まれています。
誰かを責める言葉ではないからこそ、
使いやすく、後味も悪くなりません。
大切なのは「理解してもらうこと」ではない
お盆の親戚づきあいで、
つい私たちは「わかってもらわなければ」と力んでしまいます。
でも、本当に大切なのはそこではありません。
親戚全員に理解してもらう必要はありません。
説明して、納得してもらえなくてもいいのです。
「これ以上、この話をしない」という境界線を、
その場で引くだけで十分です。
境界線を引くことは、関係を壊すことではありません。
むしろ、
限られた時間しか会わない親戚だからこそ、
無理に理解を求めず、
必要な線だけを引いておく方が、
お互いに気持ちよく過ごせることも多いのです。
お母さんが
「今日はこの4つのうちどれかを使えばいい」と決めておくだけで、
当日の心の負担は大きく変わります。
準備しておいた言葉があるというだけで、
いざという場面で頭が真っ白にならずに済みますよ」。
よくある質問
Q. 親戚に何か言われたとき、その場で反論したほうがいいですか?
A. 反論して納得させる必要はありません。「今はその話はしないでおこう」と話題を変えるだけで十分な対応になります。その場で決着をつけようとせず、話を広げない方向に持っていくことを優先してください。
Q. 病状を詳しく説明した方が、親戚も協力してくれるのではないですか?
A. 詳しい説明が、必ずしも理解や協力につながるとは限りません。「本人のペースを大事にしているんです」など、要点だけを伝える言葉の方が、余計な口出しを防ぎやすいケースが多くあります。
Q. 境界線を引くと、関係がぎくしゃくしませんか?
A. 境界線は「拒絶」ではなく「お子さんとご家庭を守るための線引き」です。感情的にならず穏やかな言葉で伝えれば、関係を大きく損なうことなく、この話題からお子さんを守ることができます。
※本記事は、摂食症のお子さんを持つご家族への一般的な情報提供を目的としたものであり、医学的な診断や治療方針を示すものではありません。お子さんの症状について不安がある場合は、必ず医療機関や専門家にご相談ください。
この記事を書いた人 大橋とも
『親子過食卒業レッスン』主催 公認心理師
25年以上にわたる摂食症との個人的な経験と、公認心理師としての専門知識をもとに、親子過食卒業レッスンのグループ講座や個別セッションを通じて、摂食症のお子さんを持つご家族のサポートを行っている。著書に『わが子が摂食障害になったら読む本』(Amazon「ストレス・心の病気」部門予約1位)。ラジオ・新聞・NPO主催イベントなどでの講演実績多数。

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